香貫山の植物  オオハナワラビ

オオハナワラビ(大花蕨)

 昨日綴ったフユノハナワラビが生えていた所とは離れた別の場所でもフユノハナワラビと思って撮影した。帰宅して両者を見比べると栄養葉の鋸歯が違っていて、今日綴るものはオオハナワラビと同定した。両者の相違点について調べた結果を以下に纏める。

             フユノハナワラビ           オオハナワラビ
   栄養葉  裂片の縁に細かい鋸歯がある   裂片の縁に粗い鋸歯がある  
   胞子葉    胞子散布後脱落する           胞子散布後も残る
   胞子    胞子の外膜にこぶ状の突起有り     胞子の外膜は平滑

 胞子は小さくて見れないし、胞子葉の胞子散布後の状態は現時点では見ることが出来ないので、栄養葉の鋸歯のみから判定した。以下にオオハナワラビと判定したものの画像を載せる。
 株全体は全く同じで、水平に広がった栄養葉から垂直にスクッと胞子葉を伸ばしている。
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<フユノハナワラビの胞子葉>
 胞子葉の高さは20~30cmほどで、葉柄の先の方は黄色~黄淡褐色の胞子嚢を穂状に群生させる点も全く同じだ。
 
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 穂状の胞子嚢を拡大して見ると、多くの胞子嚢は球を二分する線が見えるし一部の胞子嚢は割れ目から裂けて白いものが見えるのもフユノハナワラビと同じだ。
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<フユノハナワラビの栄養葉>
 栄養葉は葉軸が三つに分岐して、それぞれシダ特有の形をしているのもフユノハナワラビと同じだ。
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 しかし、栄養葉を拡大して見ると、葉の裂片の縁の鋸歯がフユノハナワラビに比べると粗い。昨日の記事からフユノハナワラビの栄養葉の拡大画像を下に転載しておく。
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            (フユノハナワラビの栄養葉 昨日のブログより転載)

 胞子散布後に両者の胞子葉がどの様になっているか確認してみる積もりだ。

<オオハナワラビ(大花蕨)>
  ハナヤスリ科、ハナワラビ属
<特徴>
  冬緑性シダ植物、山野に生える
  栄養葉の柄は長く、基部近くで胞子葉を分岐する
  栄養葉は葉軸が三岐する 裂片の鋸歯は粗い
  胞子葉は栄養葉より長く、上部につく胞子嚢穂は2回~3回羽状に分岐し、円錐状に丸い胞子嚢をつけ、秋に熟した後にも残る。

【エピローグ】 フユノハナワラビか? オオハナワラビか?
 高尾山で見たものはどちらか?
 以下に載せた画像は、2009年12月31日のブログに載せた画像とは別の画像を拡大したもので、栄養葉の鋸歯を良く見ると細かいのでフユノハナワラビで間違いなさそうだ。
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 大楠山で見たものはどちらか?
 以下に載せた画像は、2009年12月9日のブログに載せた圧縮画像を再拡大したものなので見難いが、鋸歯は粗く見えるのでフユノハナワラビではなくオオハナワラビの様だ。
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 大楠山のフユノハナワラビを綴った2009年12月9日のブログのコメントを改めて読み直してみると
 hanatetsauさんからは---
「フユノハナワラビは高尾でも見られますが、最近になってオオハナワラビの存在を知り、高尾のそれがどちらか目下調査中です。」

 又、寅太さんからは---
「私もフユノハナワラビとオオハナワラビの違いで悩んでいます。
大楠山はフユノハナワラビで売り出していますが、実際に生えているのはオオハナワラビではないかとの話もあります。
尖っているのがオオハナワラビで、あとは毛があるとか、ないとかの違いのようです。
昔はフユノハナワラビが総称のように使われていたとおもうのですが、最近は無理に分けようとしているように感じます。
学者でないので、フユノハナワラビで統一して欲しいものです。
こんなことで、自宅に生えているものもわからなくなりました」
 とありました。

 今回の香貫山での観察結果で決着がつくのか?本文にも記しましたが、胞子散布後の胞子葉が脱落するのか、残るのかの観察結果でより確実さが増すのかと思っています。

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この記事へのコメント

2010年11月09日 18:43
オオハナワラビと言うのですね。
先日、「羊歯」とだけ知らない私ですが、写真に撮っていました。
野草で盆栽園芸をされる方がありますよね。
これが材料になっていて感心したものです。
寅太
2010年11月10日 10:44
1年前はコメントしておきながら、何の進歩がない自分に気が付きました。
「胞子の外膜にこぶ状の突起有り」の見分ける方法に、拡大鏡を持って庭に飛び出しました。
庭にはフユノハナワラビとオオハナワラビと思われるものが、一つの鉢に入っています。
結果は突起はよくわかりませんでした。
香貫山のこの画像のものは、葉の形からオオハナワラビだと思います。
また香貫山は学習の場を提供してくれることになりました。
こちらも勉強しますが、1年後も同じコメントになりそうです。
2010年11月10日 23:24
Tatehikoさん、今晩は。
私もシダ類はあまり知りませんがフユノハナワラビは田中澄江の花の百名山の中で神奈川県にある大楠山で選ばれているので良く知っていました。フユノハナワラビは盆栽に使われるかも知れませんね。
2010年11月10日 23:31
寅太さん、今晩は。
たまたま香貫山に2種類有ったから区別出来たと思います。1種類だけだったら、どちらにも同定してしまいそうでした。胞子の外膜は電子顕微鏡でなければ不可能では?胞子嚢の外膜ならば拡大鏡で可能ですね。胞子葉のその後の姿を継続して観察してみます。