浮島ヶ原の植物(その1)                  

ノウルシ、ヒキノカサ

 沼津市の西部から富士市の東部にかけた愛鷹山南麓には浮島ヶ原と言う湿地帯がある。ここの植物は香貫山とは異なった植物が見られると言うので、この先不定期になるが観察して行こうと考えている。
 観察の中心は浮島ヶ原自然観察公園だ。
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 この辺りには昔、浮島沼が広がっていたが近年の開発により沼が減少して来てしまったので、富士市は湿原の生態系を保全し、自然に親しむ環境を残す目的で、ここ中里地区の国道1号線の北側に浮島ヶ原自然公園を整備して来た。公園の規模は4.2haでほぼ完成していた。
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 浮島沼が生成された経緯に付いては昨年の2月19日の沼津海岸線ウォーキング 富士海岸防潮堤(その13)で既に綴ったが、その記事の中から「富士海岸の地形変遷」説明図を以下に転載しておくが、浮島沼は富士川が運んできた土砂が、駿河湾の沿岸流により東に運ばれた結果で出来上がったのだった。
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 現在の浮島ヶ原自然公園の姿を以下に載せる。愛鷹山と富士山が後に控えている美しい田園風景の中に有る。
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《ノウルシ(野漆)》

 刈り取られたアシ原の中に菜の花ほど派手ではないが黄色の花が群生していた。
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 木道の近くにあった別の株を接写した。トウダイグサ科のノウルシ(野漆)だ。
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 黄色の花弁に見えたのは苞で、花はその上に見える小さいものでトウダイグサ科の花に共通して、花らしからぬ形をしている。
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 名前の由来は、傷付けて出てくる白い液に触れるとかぶれるからだと言う。環境省、静岡県共に絶滅危惧Ⅱ類に指定していると言うが、ここの公園ではその様な心配は無用に感じられる。

<ノウルシ(野漆)>
  トウダイグサ科、トウダイグサ属
  名前の由来:傷付けて出てくる白い液に触れるとかぶれる
<特徴>
  多年草、
  草丈30~40cm
  茎頂に倒披針形の5個の葉を輪生させる
  それぞれの葉腋から5本の枝を散形に出し、その先に杯状花序をつける。
  花序の下部の苞葉は卵円形であざやかな黄色を帯びる
  環境省、静岡県共に絶滅危惧Ⅱ類

《ヒキノカサ》
 刈り取られたアシ原の中に黄色の小さな花が群生していた。
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 木道の近くにあった別の株を接写した。キンポウゲ科のヒキノカサ(蛙之傘)だ。
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 黄色の花は艶やかで日の光を受けて光っていた。
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 この花も環境省、静岡県共に絶滅危惧類に指定していると言うが、ここの公園ではその様な心配は無用に感じられる。


<ヒキノカサ(蛙之傘)>
  キンポウゲ科、キンポウゲ属
  名前の由来:蛙(ヒキ)の住むような湿地に生え、茎葉や花を傘状に四方に広げる
<特徴>
  多年草
  草丈は10~30cm
  根出葉は2~4cmで掌状に裂けさらに細かく裂ける。
  花は黄色で光沢がある
  環境省は絶滅危惧Ⅱ類、静岡県は絶滅危惧ⅠB類

 この他に、公園内ではタンポポ、ヒメオドリコソウ、ムラサキサキゴケ等が咲いていたが香貫山でも見ているので割愛する。
 又、公園に隣接している田の畦道にはオオイヌノフグリ、キュウリグサ、レンゲ等も咲いていたが同じ理由で割愛するがタビラコだけは初めて見たので以下に綴る。

《タビラコ》
 春の七草の一つホトケノザはこのタビラコ(田平子)のこと。
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 別名はコオニタビラコ(小鬼田平子)で花はオニタビラコ(鬼田平子)に良く似ている。
 タビラコの名前の由来は、葉が田の面に放射状に平らに広がるからと言う。
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<タビラコ(田平子)>
  キク科、ヤブタビラコ属
  別名:コオニタビラコ
  名前の由来:葉が田の面に放射状に平らに広がる
<特徴>
  田や畦などに自生する。
  春、黄色い花が咲く。
  若葉は食用になる。

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この記事へのコメント

2009年03月25日 21:35
今日の植物は黄色一色でした。黄色は春によく映える色だと思います、これから浮島ヶ原報告が楽しみです。富士山も見える所で素敵です。
2009年03月26日 14:11
ノウルシは面白い花の構造をしているようで一度良く見たいと思っていますがいいチャンスに出会わないでいますし、ヒキノカサは同じ科の河川敷でも良く見るウマノアシガタと良く似ていますね、群生しているとなかなか良いなと思います。
2009年03月26日 19:02
信徳さん、今晩は。
そうですね、春先は黄色の花が多いですね。寒さを吹き飛ばす色でしょうか。
浮島ヶ原は湿地ですから、普通の山野草とは異なった植物が多いと思います。沼津にある珍しい所ですから観察して記録になる様にしたいと思っています。とりあえず、1回/月は訪れたいと考えています。ここからの富士山も良い眺めですから、私の富士山百景入り出来る写真を撮りたいと思っています。少し欲張りかな(笑)。
2009年03月26日 19:10
OSAMIさん、今晩は。
トウダイグサ科の花は奇妙な形をしていますね。今回もマクロで撮影したのですが、直射日光を受けていて、黄色の苞の上なので上手く撮れませんでした。
そうですね、ヒキノカサはウマノアシガタに良く似ていますね。同じキンポウゲ科ですね。
寅太
2009年03月27日 01:01
ヒキノカサは初めて見ましたが、キバナノセツブンソウに似たはなですね。
静岡県人はおおらかで、公園の中に毒草があっても問題にはしませんが、東京なら投書されますね。
「ヒメカンスゲの苞の鞘には赤褐色のところのある」。なるほど近いうちに赤褐色が付いた画像を載せます。
hanatetsu
2009年03月27日 10:51
浮島ヶ原自然観察公園、地形変遷から見ましても貴重な場所ですね。
ノウルシの群生、見事です。
ヒキノカサ、初見です。
是非、この地の植物を続けてご紹介願います。
2009年03月27日 18:46
寅太さん、今晩は。
キバナセツブンソウは未だ見た事が無いですが資料で見るとヒキノカサと同じキンポウゲ科で花は似ていますね。ここの公園は湿地帯の保存と自然観察の公園ですから毒草も生えているのは許されるでしょう。ヒメノカンスゲの画像アップは是非ともお願い致します。
2009年03月27日 18:53
hanatetsuさん、今晩は。
小さい頃からこの浮島沼は知っていたのですが、沼が誕生した経過はこの地形変遷図を見るまでは知りませんでした。沼地だったので植生も当然、他の平地や山とは異なります。大切に保存する必要があります。月に1度は訪れてレポートする積りです。