沼津海岸線ウォーキング  沼津御用邸記念公園(その6)

西付属邸御殿(そのⅡ)

 昨日に続き、今日は西付属邸御殿の内部を綴る。この御殿は公式な部分と居住部分とが一体となった大規模木造住宅の貴重な例として、建築史的な価値も高いと資料にある。見学ルートに沿って記述しますので、皇族の方々が滞在中の在りし日の御殿内の様子を想像してみて下さい。

画像
                         (西付属邸御車寄)

画像(西付属邸御殿平面図)

 今日は御車寄を入って左に進み、左の平面図中の赤丸部分を綴る。

画像(倉庫)

画像(女官応接)

 女官の応接間として使った部屋

 奥に置いてあるのは御用邸当時の電気ストーブ

 この他に玄関横にも応接室がある。

画像(警衛内舎人)

 警備係の部屋

 奥に置いてあるのは御用邸時代の電気扇風機

画像(物置と前室)

 御用邸に皇族が滞在する時には、経費の無駄を省く為、身の回りの品物を始め一切の家具や備品を全て運んだと言う。

 料理の道具類も同様で、鍋釜から食器に至るまで長持ちやトランク、つづらなどに入れて、お召し列車や自動車で運んだと言う。(各部屋に置けないものがこの物置に置かれたのかな?)
 また、新鮮な牛乳を得るために、牛も連れて飼っていた。その為、沼津御用邸の中には牛舎もあったと言う。

画像(内玄関)

 職員や商人などが使用した。(正面玄関は皇族が使用した。)

 料理の材料は内玄関から運び込まれ、職員が点検してから使用した。

 内玄関脇に有る仕入詰所は商人の控えていた部屋

画像(調理室)

 皇室の食事を作っていた部屋で当時のままの流し台やかまどが残っている。

 流し台は人造石の研ぎ出しで、4つに区切られた珍しい形

 ガラス窓越しに外に見える建物は下で述べる湯沸所

画像(調理室の天窓)

 採光と排煙を兼ねている。

 側面の可動式窓をロープで開閉する形になっている。


画像(調理室内部)

 奥に置いてあるのは冷蔵庫?

画像(調理室内部)

 火事を防ぐ為、御殿内ではなるべく火を使わないようにして、かまど、魚焼き器は炭火を用いていた。
 


画像(湯沸所  調理室の外側にある)

 大きな火を使う場合は、調理室の外の石造りの湯沸し所にあるかまどを用いた。

 御料浴室(後日、綴る)にも湯沸しの設備は無く、湯沸所から桶に入れたお湯を男子職員が天秤棒に担ぎ、廊下の下をくぐる地下道を通って、御料浴室まで50mの距離を運んでいた。


画像(主厨)
 料理を作る人の部屋、調理室に続いた部屋でガラス戸から調理室が見える。

 料理は、この主厨と呼ばれる宮内庁の料理担当者が作った。当時は料理材料や食品の冷凍、保存もままならない中で、安全なものを責任持って作ることが必要だったわけで、例えば豆腐などの加工食品も全て担当者が作った。


画像(主膳室)

 料理担当者の部屋(現在は展示コーナーとして使用されている)

 御用邸でも食事時には、皇族の方が召し上がる一時間前に侍医などが料理を小皿に取って内容を点検する「試嘗(ししょう)」を行っていた。その後、改めて料理を作り、それをこの部屋の主膳と呼ばれる別の料理担当者が運搬道具に載せて供進所(ぐしんしょ)に運んで盛り付けを行った。


画像(供進所)
 皇族の食事の盛り付けや配膳をした部屋

 配膳が終わって最後に、女官が供進所の隣の御食堂(明日、綴る)にお出ししていた。
 試嘗は毒味とは違って、料理内容が召し上がる皇族の方のご体調に合っているかどうかを調べたものと言われている。

 皇族の日常のお食事は基本的には和食が中心で、一般家庭の食事と比べてもあまり変わらないものだったようです。しかし、トップ画像中に緑色で示す様に、皇族が食べるまでのプロセスの長いこと、長いこと!これは一般家庭とは大違い!

 明日に続く。
 今日のウォーキングは香貫山で歩数は8,133歩。

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この記事へのコメント

寅太
2008年06月03日 10:09
昨夜からまた雨です。台風も近づいているようで、本日予定のゴルフは急遽中止となりました。
これではウォーキングも無理でしょう。
ほとんどが和室なのにはびっくりします。
各部屋とも質素な造りです。
2008年06月03日 15:40
格式が高い人は一つ一つの動作に時間をかけ、ユックリと時を過ごしたように感じられます。今の時代には考えられない事です。
2008年06月03日 15:55
写真では分からない所もありますが全体的には質素な感じの造りのようですね、しかし食事が出来るまでの色々の所の様子は驚きです、しかし料理としてはあまり美味しくない感じがします(笑)。
2008年06月03日 19:45
御用邸の内部は意外に質素な感じがしますね。
和室がほとんどなのでしょうか。皇室の方々が滞在される時は、家具や備品などまで全部運んだと伺い驚きました。
調理室の天窓は明るくて良いですね。冷蔵庫も中に氷を入れて使用するタイプでしょうか、懐かしいです。
なかなか見られない皇室の方々の食事を作る調理室、興味深く見せていただきました。
2008年06月03日 20:42
寅太さん、今晩は。
台風ではゴルフはダメですね。こちらも台風でウォーキングも早々と中止宣言をしました。沼津御用邸はそもそも和室中心です。ビリヤード室が大正時代に最後に増築されましたが、外見的には和室に見えますね。質素な造りですが細かい所で日本の伝統技術の粋を集めている様です。素人では解りませんが。
2008年06月03日 20:48
信徳さん、今晩は。
我々凡人と高貴なお方とでは身に付けた時間軸が異なりますかね?貧乏暇なし人間には耐えられない程の、ユッタリした時間の流れなのでしょうね。この松林の中の、この建物の中で私が暮らせたら、ヒョットすると耐えられるかも知れませんね(笑)。
2008年06月03日 20:56
OSAMIさん、今晩は。
我々素人が見た所では質素な建物です。しかし、使っている材料も珍しいものや、使っている技術も当時の伝統技術の粋を集めている様です。食事に付いては、これだけ時間が掛かると冷めてしまって美味しくなくなりますね。食事の内容は一般家庭と似通っていたと、聞いています。
2008年06月03日 21:03
今晩は
西付属邸御殿の内部はもっと豪華なのかと思っていましたが意外と質素な作りだったのですね。生活の中に防火対策があって火災予防に努めていた様子が見えるようです。
2008年06月03日 21:04
杏さん、今晩は。
我々素人目には質素に感じますが、使っている材料や技術は高いレベルにあるようです。しかし、派手さは無いですね。昔、お召し列車で天皇が諸国に出て行くのを聞いて、あの長い列車はガラガラだろうと思っていましたが、意外に持ち物や侍従や女官達で満員だったかも知れませんね。冷蔵庫は氷式の様でした。懐かしいですね。調理室の模様も懐かしく見ました。
2008年06月03日 21:10
chiharuさん、今晩は。
皆さんへのコメントにも書きましたが、御用邸の建物は素人目には質素に見えます。しかし、材料や建築技術では当時の最高レベルのものを使っているようです。また、派手さはありませんので身近に感じますね。やはり、防火には最大限の対策を考えていた様ですね。

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