香貫山の植物  オケラ (番外編 カラスザンショウ)   

 今年も香貫山の登山道脇の草叢にオケラ(朮 )が咲き始めた。
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                        (オケラの花)

 オケラの花は、9月29日に綴ったコウヤボウキに良く似ている。共に同じキク科であるがコウヤボウキはコウヤボウキ属なのに対しオケラはオケラ属で別の属だ。
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              (オケラはコウヤボウキに良く似ていて共にキク科)

 見つけた場所は昨年と同じで、登山道脇の日当たりの良い斜面に咲いている。
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                 (茎は斜面から垂れ下がり気味に伸びている)

 オケラの茎もコウヤボウキの茎に似ているが、コウヤボウキはキク科では珍しい木本であったが、オケラは草本だ。

<オケラの蕾>
 オケラの蕾は魚の骨の様な苞葉で囲まれている。また、葉の縁にも細かい鋸歯があり外敵からガードされている様だ。
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                 (刺々しい苞葉と葉の鋸歯に守られた蕾)

<オケラの花>
 花は9月~10月に咲き、頭花の直径は2~2.5cmで全て筒状花で構成されている。筒状花は淡く紅色を帯びた白色で、花びらは5枚。その花びらの中央から雄しべや雌しべが伸びてくる。一昨日綴ったノハラアザミや昨日綴ったタムラソウの筒状花に良く似ている。
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                  (周辺の筒状花から開き始める)

 オケラは雌雄異株だと言う。ネットで色々調べたが明確に記述された雄花と雌花の画像が見つからなかった。そこで異なる花を付けた株を探してみた。それぞれの花をノハラアザミやタムラソウと同様に開花過程を追ってみた。

<オケラの雄花(推定)>
 何本かの株より、雄花と思われるもので開花過程の違う花を並べてみる。(花の中にゴマ粒の様な茶色の物が見える画像が有りますが、これは蟻です。)

 早期に開花した周辺の筒状花から、青い縦縞が入った棒が伸びている。これが雄しべだと推定する。その雄しべの先端に白い粉状の物が見えるが、これを花粉と推定する。(この点はノハラアザミやタムラソウと似ている)花粉に関しては1枚飛んだ先の画像も拡大して見て下さい。
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               (青色の雄しべがニョキニョキと伸び始めている)

 更に開花が進むと最初に伸びた雄しべの色が茶色に変化すると同時に白色の棒を伸ばし始めている。この白棒が雌しべだろうか?(雌しべが伸び始めると雄しべの色が変わる事もノハラアザミやタムラソウと似ている)
 この花を雄花と推定しているので、この蕊を仮雌しべとしておく。
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     (早期に伸びた雄しべから仮雌しべが伸びる 2回クリックで拡大出来ます)

 最後に、全ての雄しべは茶色に変化し仮雌しべの柱頭も2分割する。
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                  (2分割した柱頭は左右に反り返る)

 この花を雄花と推定した根拠は、ノハラアザミやタムラソウと同じ様に雄しべや花粉が見られる事と、次に綴る雌花にはこの雄しべや花粉が見当らないからである。
 しかし、雌雄異株と知らなければこの花はノハラアザミやタムラソウと同じ様に両性花だと思ってしまう。

<オケラの雌花(推定)>
 上から3枚目の画像の株は沢山の花を付けている。開花過程の違う花を並べてみる。 早期に開花した周辺の筒状花から、長い白い棒が伸びている。これが雌しべの花柱だと推定する。
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       (花柱がニョキニョキと伸び始めている 2回クリックで拡大出来ます)

 更に開花が進むと最初に伸びた雌しべの柱頭が2分割を始める。
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               (早期に伸びた雌しべの柱頭は2分割し始める)

 最後に、全ての柱頭が2分割し、反り返る。
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                  (2分割した柱頭は左右に反り返る)

 この株のどの花にも雄しべや花粉と思われるものは見当らないので雌花と推定した。

 以上、長々と雄花と雌花を推定したが、何となくしっくりしない。雌花は良しとして、雄花と推定した物は実は両性花で本当の雄花は雌しべがもっと小さくて見えない物が別に存在するのではないかと思うが・・・。
 又は、オケラの雌雄異株とは雌花と両性花が別々に有ると言う事なのかな?それならば私の観察通りなのだが・・・。
 別の情報やご指摘が有ったら教えて戴きたい。 

 今年の9月22日のツリガネニンジンの中で【ツリガネニンジンの若葉は食用、根は乾して薬用になるという。ツリガネニンジンの別名はトトキとも言われる。このトトキは春の山菜として美味しいので「山でうまいはオケラにトトキ、里でうまいはウリ、ナスビ。嫁に食わすのも惜しゅうござんす」とうたわれたとある。】と綴ったが成長したオケラの株からは美味しい山菜のイメージは無い。
 又、京都の八坂神社では大晦日の深夜に境内でオケラを焚き,初詣に来た人たちはこのおけら火を授かって持ち帰り,元旦の雑煮の種火にする行事(白朮参り;おけらまいり)が有名と資料にある。又、根を薬用として利用するともある。
 グロテスクでは有るが昔から人間の生活に密着していた植物なのだ。

        ---2007年10月30日のブログより転載開始---
《番外編》 オケラ(赤)
 オケラに付いては10月18日に綴った。その後、別の場所で赤色のオケラを見つけたので以下に載せる。
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                    (オケラ・赤  雄花)

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                    (オケラ・赤  雌花)

 雌花が雄花に比べて花が小さいがこの理由は不明だ。
        ---2007年10月30日のブログより転載終了---
        ---2007年12月27日のブログより転載開始---   
<オケラの実>
 オケラに付いては10月18日に綴った。花後の実を確認する予定であったが秋の紅葉を追いかけていて見損なってしまった。念の為に花を見つけた所を覗いてみると、株全体がドライフラワー化して残っていた。その天辺には実も枯れて残っていたし、実には種毛が見えた。
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      (左:オケラの枯れた実  右:ドライフラワー化したオケラ 12月18日撮影)

 枯れた実を良く見ると、相変わらず実は魚の骨の様な苞葉で囲まれているし、葉の縁にも細かい鋸歯が残っている。蕾の時から花の段階を経て実になっても堅いガードに守られて来た様だ。
 種毛をつけた1個の種子の姿が次の画像中の実の右側に見える。昨日のコウヤボウキの種毛よりも毛が粗い様だ。
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            (実の右側に1個の種子が見える  12月18日撮影)

 10月18日のブログではオケラの雌花と雄花を推定した。この推定が合っているかどうかは、雌花が付いていた株には実が残っていて、雄花が付いていた株には実が残っていない事が確認できれば良いのだが・・・。
 残っている株そのものも少なくなっているし又、目印を付けていなかった為、解らなくなってしまった。雌花、雄花の確認は来年への宿題だ。
        ---2007年12月27日のブログより転載終了---

<オケラ(朮 )>
  キク科、オケラ属

<特徴>
  多年草
  9~10月開花  花は2センチ大でキクアザミのように咲く
  日当たりの良い乾いた草原に生える
  新芽を山菜として利用
  薬用として根を正月の屠蘇に利用する
  角張った蕾に魚の骨状の形があり面白い
  草丈60センチまで

《番外編》 カラスザンショウの実
 カラスザンショウに付いては8月18日に綴った。(http://dekowalker.at.webry.info/200708/article_7.html)今日はその後の実の様子を以下に載せる。撮影ポイントは台風9号によって横倒しされたカラスザンショウの木だ。台風の後に登山道に出ていた部分は切り取られたが、横倒しの木はそのまま置かれているので花や実の撮影は楽に出来る。
 ごく最近までは緑色の実だったが、少し赤味を帯びてきた。
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                (赤く色付き始めたカラスザンショウの実)

 カラスザンショウはイヌザンショウと同じ様に1個の果実が3個の分果に分かれると綴ったが、画像を見ると3個の分果が一塊になっている事が解る。この分果からそれぞれ黒い種子が1個づつ出て来るが、それは今後観察する事とする。

 今日のウォーキングは所用で中止。

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この記事へのコメント

2007年10月18日 22:21
今晩は お邪魔します
オクラの花は白いアザミのような花ですね。
この花初めて見ました。
珍しい花を見せて頂き有り難う御座います。
2007年10月18日 23:00
こんばんは。オケラの雌花、雄花と比べてじゅっくり拝見しました。
雌花らしき花はオシベと花粉がなくて最初からメシベが出てくるのですね。これを探されて撮影されるのに、大変なご苦労だったことでしょうね。「雄花と推定した物は実は両性花で本当の雄花は雌しべがもっと小さくて見えない物が別に存在するか、又は、オケラの雌雄異株とは雌花と両性花が別々に有ると言う事なのか?」デコ博士さんのご推察どおりかも?知れませんね~。ネットで雌花は出てこないようですね。
うちの盛り後の花を撮りましたら、オシベ・メシベの花柱が全部消えて、花粉のような白い粉がありますよ。
サンショウには、犬のほかにカラスもいたのでしたよね~。。

plysima
2007年10月18日 23:27
こんばんは。私はオケラとコウヤボウキの区別がついていないのですが、花とか草木を見ると、オケラの方がごつい感じで、コウヤボウキの方が繊細な感じ、でいいのでしょうか??
2007年10月19日 16:28
オケラの花は初めてですが、アザミの花に良く似ていますね。
つぼみは、驚くほどのトゲに守られていますね。
オケラの花も開花の様子がアザミのようで、綺麗な花ですね。
葉の周りにも鋭い鋸歯のように付いていて素手では触れないような感じです。
信徳
2007年10月19日 17:59
魚の骨のような棘にガードされて外敵を守り、中からイソギンチャクのような触手で「おいで」「おいで」しているようです。この誘いに乗ったものは棘に刺されてしまうのでしょう。
寅太
2007年10月19日 18:29
デコウォーカ博士の推測が当たりますように。今度はルーペでのぞいて見ます。
オケラは香貫山にはたくさんありそうですが、高尾山ではめったに見ることがありません。
以外に生えてない植物だと思います。
みなさん、アザミの次で、しかも画像でも尖っているので、トゲの心配をされているようですが、触っても痛くはありません。人間の髭よりは柔らかいのではないでしょうか。
2007年10月19日 20:38
オケラの花は面白いですよね、何でそうなっているのか良く分かりませんが棘のようなものに守られて咲いていて面白い花だと思います、雄花と雌花勉強になりました。
2007年10月19日 20:55
chiharuさん、今晩は。
オケラはキク科の植物ですからアザミの仲間とも良く似ていますね。是非実物にも会って下さい。
2007年10月19日 21:02
一花さん、今晩は。
香貫山でも一花花壇の雄花オケラが多いです。これと違う花を探すのには少し日数が掛かりました。ダメかな?と思い始めた時に見つけられましたので良かったです。しかし、私の推測が合っているかどうか、これは???です。サンショウの仲間は何故か、役立たずの名前、犬、カラスが付きますね。
2007年10月19日 21:09
plysimaさん、今晩は。
そうですね。コウヤボウキの方が魚の骨や鋸歯の付いた葉の様なものは有りません。花びらがクルクルリボンの様になっています。茎や葉もコウヤボウキの方が弱々しいですね。総合してplysimaさんが仰るように「コウヤボウキの方が繊細な感じ」ですね。

2007年10月19日 21:17
杏さん、今晩は。
オケラの花の形状(構造)はアザミに似ていますが、花色は私はピンクでアザミの方が好きです。魚の骨の様な苞葉も葉の鋸歯も見たほどには痛くありません。むしろアザミの棘の方が痛いです。今度見つけられたら確認してみて下さい。
2007年10月19日 21:21
信徳さん、今晩は。
オケラは名前や姿からイメージする程の「悪役」ではありません。心根は優しいヒゲのお父さんでしょうか。
2007年10月19日 21:28
寅太さん、今晩は。
デコ推測が当たるか?興味がありますが・・・あまり期待していません。世の中そんなに甘くはありません。オケラは日当たりの良い登山道脇の草叢か潅木の下辺りに生えていると思います。高尾山なら有ると思います。そうですね、オケラはアザミよりも怖くは有りませんね。人間の髭よりは柔らかいのではないでしょうか?までは私は?です。今度、確認してみます。
2007年10月19日 21:33
OSAMIさん、今晩は。
オケラの魚の骨や葉の棘が何故あるか?この疑問に対して空想でも良いから理由付けしてみたいですね。そうすると、名前の由来にも行き当たるかも知れません。雄花、雌花の件は当たると良いのですが・・・。

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