香貫山の植物  コウヤボウキ (番外編 クサギ)   

 香貫山の登山道脇の斜面に細い草が垂れ下がっていて、その先に白い小さなオケラに似た花を咲かせていた。帰宅して調べたらコウヤボウキ(高野箒)の花だと解った。
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                    (コウヤボウキの花)

<コウヤボウキの蕾>
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                 (ピンク色の可愛いコウヤボウキの蕾)

<コウヤボウキの花>
 コウヤボウキの花は13個前後の薄ピンクの筒状花から構成され、花径は2~3cm大である。筒状花の5枚の花びらはクルクルと巻いたリボンのようだ。
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                (5枚の花びらが開いている様子が右上に見える)

 5枚の花びらの間から棒状のものが出ているが、これは雌しべと雄しべが一体化したものだ。画像からでは詳細が見えないが、雄しべが雌しべの周りを囲んでいると資料にある。
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            (5枚の花びらの間から長い雄しべと雌しべが飛び出ている)

<コウヤボウキの枝と葉>
 コウヤボウキの名前の由来は昔、高野山では竹を植えることが禁止されていたため、この枝を束ねて箒として使った事に由来していると資料にある。山地や丘陵地のやや乾燥したところに多く生える小低木で、日本では珍しいキク科の木だとも資料にある。初めて見た時は草だと思ったが木であった。
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            (コウヤボウキはキク科の中でも珍しい木本だ)

 上の画像には1年目の枝と2年目の枝が重なっている。これを別々に撮影した物が次の2枚だ。1枚目の画像は1年目の枝で先端に花が咲く。葉は互生で広い卵形、周辺には突起状の鋸歯が数個ある。
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                (1年目の枝  葉はパラパラで枝先に花を付ける)

 2枚目の次の画像が2年目の枝で、これには花が付かない。葉は3~5枚が束状に付き、卵形。縁は不規則に波打ち、鋸歯はほとんどない。
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                (2年目の枝  葉は沢山付くが花は付かない)

 コウヤボウキは1年目の枝の先端に花が咲く。したがって、これで完結してよいわけであるが、茎は生き残って翌年多くの葉を付ける。枝は伸ばさないので、投資を最小限にして葉を多くつけ、1年目の枝をバックアップしていることになる、と資料にある。子孫を残す為に何とも凄い戦略を取っているものだ。
 一方、同じ仲間のナガバノコウヤボウキは1年目の枝には花が付かず、2年目の枝に花が咲く。しかも葉が束状に付いた所、全てに花が付くのでこちらの方が賑やかで豪華に見える。似たような植物ではあるが、戦略はかなり異なっているとも資料にある。

        ---2007年10月31日のブログより転載開始---
《番外編》 コウヤボウキの色違い
 コウヤボウキに付いては9月29日に綴った。その後、別の場所で色が異なるものを見つけたので以下に載せる。
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                       (雄しべが濃い赤茶色)
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                       (花の中央が濃い赤色)
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                        (花全体が真っ白)

 この色の違いが種の違いか、個体差なのか、開花過程による差なのかは良く解らないが、参考までに記述しておく事とする。
        ---2007年10月31日のブログより転載終了---

<コウヤボウキの種>
 種子には長い冠毛があり(タンポポのように)風で飛散する風媒花であると資料にある。資料の写真を見ると耳かきに付いている丸い綿毛の玉の様だ。これから観察を継続しよう。

        ---2007年12月25日のブログより転載開始---
 コウヤボウキに付いては9月29日に綴った。今日はそのコウヤボウキの実に付いて綴る。
<コウヤボウキの実>
 コウヤボウキの実はタンポポの様に綿毛(種毛)を球状に開き綺麗だ。
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           (球状の種毛を開いたコウヤボウキの実 12月22日撮影)

 コウヤボウキを綴った9月末から12月初めまでコウヤボウキは香貫山のアチコチで見かけた。その中で一番大きな株は花が20個位咲いていた。
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                (大きなコウヤボウキの株 12月1日撮影)

 約半月後に覗くと花は既に終わり、実が幾つか稔っていた。
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                (上の画像の株のその後 12月18日撮影)

 種毛が球状に開いている実と種子が飛び去った実の姿を以下に載せる。種子1個の姿が良く解る。
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        (左:1個の実の姿     右:1個の種子の姿  12月18日撮影)

 バックが暗い所に生えているコウヤボウキの実は白い種毛が浮き上がって見えて綺麗だ。
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   (暗がりの中で浮き上がって見えるコウヤボウキの実  12月22日撮影)

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       (左:種毛が開く前   右:種毛が開いた後   12月22日撮影)

 コウヤボウキの花や実は決して鮮やかでは無く、むしろ地味だ。香貫山にはこのコウヤボウキが意外と沢山生えている。昔、高野山では竹の栽培が禁止された為、高野山の坊さんはこのコウヤボウキの枝を集めて箒を作ったと言う。香貫山では何本の箒が出来るかな?
        ---2007年12月25日のブログより転載終了---

<コウヤボウキ (高野箒)
  キク科、コウヤボウキ属
  名前の由来:高野山でこの茎を利用して箒にした

<特徴>
  落葉小低木
  9~10月咲き
  薄ピンクの筒状花で花径2~3cm大
  落葉した冬に実が風で飛び繁殖する
  樹高(草丈)1mまで
  山地樹下の日当たりの良い乾燥気味の道沿いに生える


《番外編》 クサギの実 
 クサギに付いては8月14日に綴った。(http://dekowalker.at.webry.info/200708/article_3.html)そのクサギの実が綺麗に色付いたので以下に載せる。
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                    (綺麗に色付いたクサギの実) 

 今日のウォーキングは雨模様で中止。                   

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この記事へのコメント

寅太
2007年09月29日 22:37
コウヤボウキの花の周りを網で包んだらオケラです。
秋にはこれに似たハグマがいろいろ咲きますね。
家の近くのクサギも色付いてきましたが、まだここまでのはなっていません。
毎日通るところなので、いつも見ています。
2007年09月29日 22:51
こんばんは。これはカシワバハグマ(キク科コウヤボウキ属)にも似ていますね。そして今年初めて育てているオケラ(キク科オケラ属)にも似るようです。(まだ蕾です~)オケラは葉に鋸歯があるようで、ガクがトゲトゲアザミみたいですypね。
このコウヤボウキは古名が「タマバハキ(玉掃)」で、お正月に内裏でこの「たまばはき」が下されて、宴が催されていたようです。蚕の床を掃くのに使われたとか。日本では珍しいキク科の木だそうで、まだ見た事がなく、一度は見てみたいものです。
クサギの花の実は作り物みたいに綺麗ですよね。うちのクサギ科のクレロデンドルム・ウォルキー(クラリンドウ) にやっと花芽が出来てきました。
2007年09月29日 23:21
コウヤボウキがもう咲き始めましたか、私もいつもの植物園で例年見ているのですが今度行ったときに確認してみようと思います、この花は形が面白いですよね。
2007年09月30日 14:10
コウヤボウキの花、初めて見せていただきました。
花びらがクルクルとカールして可愛い花ですね。花が咲くのは1年目の枝なのだそうですが、1年目の花の枝と2年目の枝を比べると葉の数の違いがわかります。コウヤボウキは草かと思いましたが、キク科の木なのですね。珍しい植物ですね。
クサキの実も鮮やかな色に変身して驚きです。
2007年09月30日 18:38
寅太さん、今晩は。
コウヤボウキとオケラは網を除けばソックリですね。共に面白い名前ですね。色々のハグマは見た事が無いですが、資料を見るとコウヤボウキに似ていますね。名前もハグマで良いですね。香貫山も場所によって色付き方に差が出ています。ここは日当たりが良いので早いほうです。
2007年09月30日 18:46
一花さん、今晩は。
カシワバハグマを資料で見ました。コウヤボウキに良く似ていますね。オケラとの差異はご指摘の通りですね。今年も香貫山にオケラが咲き始めましたので、その内にアップする事を考えています。クラリンドウも資料で見たらクサギに良く似ていますね。アップを楽しみにしています。
2007年09月30日 18:51
OSAMIさん、今晩は。
この花を最初に見た時はオケラだと思いました。また皆さんがご指摘の様にハグマにも似ているのですね。面白い形の花ですが、色々種類が有るのでビックリしています。
2007年09月30日 18:55
杏さん、今晩は。
コウヤボウキは名前も面白いですが花にも特徴がありますね。又、1年枝と2年枝とで葉の付き方や花の付き方に差があるのも面白いですね。更にキク科で木本と言うのも面白いですね。
plysima
2007年10月02日 22:00
こんばんは。私も去年香貫山で、コウヤボウキを見ました。もう1年たったのかと思うと感慨深いです。横浜から地元に戻りちょうど1年ということになります。コウヤボウキ、アップで綺麗に撮れていますね。写真でよくよく見させて頂いても、おもしろい形状の花ですね。
2007年10月03日 18:54
plysimaさん、今晩は。
一年前に香貫山でコウヤボウキを見ましたか。私は今年見たのが初めてでした。と言う事はコウヤボウキの先輩ですね。コウヤボウキはキク科ですが同じキク科にオケラがあります。これも今、香貫山に咲き始めています。共に面白い形で良く似ています。
1年経つのは早いものです。地元に戻られて良かったと思いますが、如何かな?私も地元に戻りましたが、良かったと思っています。

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